有事の円か 2011 7 16
円相場の週足チャートを見ると、
新たな転機を示していると言えるでしょう。
週足チャートでは、今年の3月17日に瞬間的に底が抜けましたが、
昨年11月から先週までは、
概ね1ドル80円から85円のレンジを推移していたと思います。
ところが、今週の週足は、明確に80円の底を割りました。
これは、新たなレンジを模索するように見えます。
それが、1ドル75円から80円というレンジです。
1ドル80円は、今まで「強力な底」として機能してきましたので、
この底が抜けた場合は、今度は「強力な天井」として機能します。
つまり、円安になっても、1ドル80円が「強力な天井」となり、
それ以上、円安になりにくいということです。
それにしても、週足チャートも、月足チャートも、
長い目で見れば、まるで下り階段を下りるように、
円高が進んでいます。
これは、金融危機後に、
アメリカがドルを洪水のように供給する一方で、
円の供給は、それほど増えなかったことが原因でしょう。
通貨と言えども、「需給」が影響します。
もちろん、通貨の動きというものは、
政治的な要素も大きいので、
このようなテクニカルな見方が外れることがありますので注意してください。